振袖とは、未婚の女性が着用する最も格式高い着物です。成人式・結婚式で見られる色とりどりの振袖は、鮮やかで艶やかで見ていても楽しいものです。晴れの舞台で着用されることが多いですよね。
振袖の起源は室町時代とも桃山時代だとも言われています。主に子どもや若い女性が着用するものであったようで、今ほど袖が長くはなかったそうです。
近松門左衛門(江戸時代の人気作家)の「日本振袖始」によれば、「振袖の脇あけは子どもの体温調節のためにあるもので、16歳の夏で脇あけをやめる」という記述があり、振袖の起源が実用的であったことが示されています。「子どもは体温調節が難しい」なんて言いますから、そういうことを考えた機能的なものであったと言えますね。
振袖の実用性は歴史と共に変化し、次第に装飾的な意味合いを持つようになっていきました。それは、江戸初期の踊り子の風俗の影響があるようです。
「袖を振る=愛情」「袖にすがる=哀れみを請う」といったもので、それを未婚の娘たちが真似をして大流行したのだとか。そんな風習から振袖が「未婚女性のもの」という暗黙の決まりができたのだということです。
また、既婚女性は振袖の袖丈を短くしますが、これを「留め袖」「脇ふさぎ」と言います。これは、「成人したから」という意味も持っているということですよ。
振袖の「袖」の持つ意味は単なる飾りでもないわけですね。様々な意味が含まれているようです。
例えば「袖」という語を使ったことわざが思い浮かびます。
「袖振り合うも多生の縁」「無い袖は振れぬ」「目引き袖引き」「袖引きたばこに押しつけ茶」「袖から手を出すも嫌い」など・・・ことわざそれぞれに違いますが、「人と人との繋がり」や「お財布」というような、象徴的な意味合いを持っています。調べてみると面白いですね。
未婚女性のための、華やかな装飾としての「袖」。そんな歴史を持つ振袖について、豆知識を集めてみました。